CASE STUDY 株式会社オートバックスセブン 様
クラウド型WMS「COOOLa」が部門間の情報連携を促進!
EC事業のサービスレベルを向上
国内最大規模の売上高を誇るカー用品総合専門店「オートバックス」など、国内588店舗(2023年3月末時点、FC店・直営店合計)を展開するオートバックスセブン様。toC事業のさらなる拡大・発展を目指し、同事業における物流機能の内製化を決断しました。どのような方向で内製化を目指したのか、内製化によって何が変わったのか、ご担当者の方にお話をお伺いしました。
- BtoC
株式会社オートバックスセブン
創業:1947年2月
本社所在地:東京都江東区豊洲五丁目6番52号(NBF豊洲キャナルフロント)
代表者:代表取締役 社長 堀井 勇吾
物流拠点:東日本ロジスティクスセンター(千葉県市川市)、西日本ロジスティクスセンター(兵庫県三木市)
事業内容:オートバックスグループ店舗のフランチャイズ本部としてカー用品の卸売および小売、車検・整備、車買取・販売、板金・塗装等
「安全・安心」「体験・発見」「自己表現」の3つの価値を実現し、お客様にとって“プロフェッショナルでフレンドリーな存在”となることを目指すオートバックスセブン様。外部環境やお客様のニーズが変化する中でも、お客様の利用シーンに合わせて、お客様が求める商品やサービスをスピーディーに提供し続けていくことで、お客様に選ばれ続ける存在となることを目標にしています。
ご担当者:
株式会社オートバックスセブン
流通企画部 拠点物流課 課長 光澤 文明様
流通企画部 EC物流課 課長 菅野 邦彦様
事業スピードと柔軟性向上のためtoC物流を内製化
———今回新たにWMS導入を検討された背景には、どのような事業課題があったのでしょうか。
当社では、グループ全体の事業拡大を目指すための具体的なロードマップとして、「5ヵ年ローリングプラン」を策定しています。その中ではさまざまな事業者と連携しながら、販路を拡大していくことが謳われています。オートバックス店舗での販売は約50年の実績がありますが、それに加えて、現在、一般消費者向けのBtoCへの販路拡大を計画しています。従来から、当社ECサイトをはじめとして、オンラインモールなどにもショップ展開していますが、そこからさらにtoC事業を拡大してというのが現在の課題です。
———新たにWMSが必要となった具体的な理由を教えてください。
元々、EC事業の物流は外部の3PLにお任せしサービスを提供しておりました。当社は、得意先ありきの特定店舗向け物流に関する経験やノウハウは有しており、WMSもBtoBに特化した形の物でした。
得意先が固定していない不特定多数相手のEC事業物流に関しては、保有しているWMSでは利便性が高くなかった為、外部の協力をいただいておりました。
しかし、EC事業拡大にあたり、外部の3PLでは当社が望む対応スピードや柔軟性に欠ける部分が見えてきました。
一例ですが、納品書など帳票類のフォーマットをお客様ごとに修正したいと即時で対応を求めても直接修正ができず、3PL側のシステムを改修する必要がありました。時間やコストが想像以上にかかり、状況に応じた柔軟な運用が難しく顧客へのサービスレベルを高めるスピードが遅い状況でした。
そのような課題を解決すべく、今回、EC事業の物流を内製化し、物流の管理を自社コントロール下に置くこととしました。それに伴い、自社で運用するEC向けのWMSが新たに必要になったのです。
「信頼性」「柔軟性」「対応スピード」がCOOOLa採択の理由
———WMS選定にあたってはどのような点を重視しましたか。
まずポイントとなったのが、パッケージ製品としてのWMSだけではなく、さまざまな応用が効き、しかもメニュー機能の選択肢が広いこと。そして拡張性が高いことです。さらに、従来利用していた3PLのサービスレベルと同等以上の信頼性があること、この3点でした。
また、画面の見やすさやメニューの使いやすさも重要な選定基準となりました。
———COOOLaをご採択いただいた具体的な理由をお聞かせください。
まず、国内最大手のスーパーマーケットなどの導入事例や成功事例があり、信頼性が高かったことが挙げられます。また、今後のロボット導入などを視野に入れた拡張性に関しても、提案時にしっかりとご説明いただき、我々が販路拡大を実行する際の要求に対し、十分お応えいただけるシステムであるものと判断できました。
パッケージソフトはメニューが使いづらかったり、利用頻度の低いメニューが表示されていたりと不便なことがありますが、COOOLaは見た目がシンプルで見やすく、画面も標準化されていました。システム上で使われている表現や文言も非常に分かりやすいものなので、経験の浅いメンバーでもスムーズに操作しやすいWMSでした。
また、カスタマイズを行う場合、パッケージソフトなどでは修正に長い時間とコストが必要になるケースもあり、場合によっては数カ月かかる場合もございます。しかし、ブライセンさんはスピーディーな対応というセールスポイントを提案時にいただき、内製化の目的であった「対応スピードや柔軟性の向上」に貢献いただけるのではないか、ということもCOOOLa採択の理由となりました。
COOOLaが部門間の情報連携を実現しサービスレベルが向上
———COOOLa導入後の現在の状況を教えてください。
当社ではタイヤ物流、小物を含めたカー用品の2拠点でCOOOLaが稼働し、現在まで大きなトラブルは無く、安定稼働している状況です。
COOOLa導入で最も効果が現れているのが、どこからでもリアルタイムで倉庫状況が把握できるようになったことです。物流を担う我々の部門だけではなく、EC事業を展開するネット事業推進部でも、統一された環境で配送状況など、各種ステータスを可視化できるようになりました。お客様の状況が本部でも現場でも同じデータを共有できるようになり、カスタマーサポートの部分で対応スピードが上がるなど、サービスレベルが向上したと認識しています。
———その他COOOLa導入後に変化したことはありますか。
入荷から在庫の保管、出荷まですべてWMSで管理し、なおかつ作業もすべてマニュアル化されているため、有事の際にどこでどのような問題が起きているのか即座に把握できるようになったことも大きなメリットです。従来の外部に委託では問題の解決もお任せしておりましたので問題は解決されても、どこに問題があったのか、根柢の原因追及まで把握ができませんでした。COOOLa導入により、状況を簡単に追跡できるので、そもそも仕入れた製品に問題があったのか、または作業時に何かミスがあったのか、などの判断が容易にできるようになりました。
当然の事ですが、WMSの基本機能やマスタ情報の連携がしっかりと整備されている為、ピッキング時の取り違え、ロケーション登録ミスの防止など、ヒューマンエラーを防止する機能を保持していますので、以前と比較して業務上のミスが防止できています。
COOOLaをベースにAMR導入や受注・配送情報の一元管理を目指す
———今後COOOLaをどのように活用していこうとお考えですか。
今後のCOOOLaの活用に関しては、主に2つの方向で考えています。まず1点目が、ロボット等の導入など自動化実現のための外部連携です。当社では自動化、省力化、さらには作業の標準化を進めており、その一環として、今期下期にはロボット導入によるピッキングの自動化をはじめ、構内搬送の効率化、梱包の自動化などをステップバイステップで進める計画が進行中です。
もう1点が、オーダーマネジメントの上流から下流までの一気通貫での可視化です。現在、お客様からのオーダー情報は基幹システムで管理しておりますが、更にWMSの細かなステータス情報やラストワンマイルの配送状況まで一元でリアルタイム把握をする事により、お客様へのサービス提供レベルの向上を狙っています。
WMSは物流サイドのシステムですが、今後は情報連携の質を高め、全てのお客様へストレス無くお買い物を楽しんでいただけるための物流体制を構築していく計画です。