ロケーション管理とは
ロケーション管理とは、倉庫内の商品や部品、原材料などの場所(住所)を指定して在庫を管理する方法です。ロケーション管理の方法については「フリーロケーション」、「固定ロケーション」2つに分けられます。その他にピッキングスペースとストックエリアの2つに分けて保管とピッキングをする「ダブルトランザクション」という方法もあります。ロケーション管理ができていないとどこに何があるのか把握が出来ず、出荷指示に対して商品を探す時間が余計にかかってしまったり、間違えた商品をピッキングしてしまったりしてしまうことがあります。
ロケーション管理の手法
一昔前まではロケーション管理をはじめとした倉庫管理業務はベテラン従業員の経験やスキル・記憶などを頼りに行われていたこともありましたが近年ではExcelやWMSで行われることが多くなりました。特にExcelは低コストですぐに導入できるという点で、初めてロケーション管理を導入する企業の一般的な手法として活用されてきました。
Excelでのロケーション管理のやり方
Excelでのロケーション管理をするにあたっては倉庫のレイアウトとExcelのシート作りが重要です。
①倉庫のレイアウトを決める
Excelでロケーション管理をするための準備として倉庫のレイアウトを把握し、場所を区画ごとにコード化をします。
例えば倉庫を(A,B,C)、棚番号を(1,2,3)、段番号を(上段=1,中段=2,下段=3)とコード化をします。次にこれらを組み合わせてロケーションコードを作ります。(例:B₋01₋02)。
②Excelシートを作る
これでどの棚に何が保管されているかを一目で確認ができます。
また条件付き書式の機能を使うことで在庫数が一定数を下回った場合、色を表示することでアラートを表示することやピポットテーブルを使い在庫状況や入出荷のデータ分析なども可能です。
Excelでのロケーション管理のポイント
ここからはExcelでのロケーション管理のポイントについて解説していきます。
・毎度更新する癖をつける
Excelは自動更新ではないので何かしらの在庫変動やロケーション移動が起こった際には必ずファイルを更新する必要があります。これを忘れると在庫のズレの原因となります。
・バックアップを取っておく
データ破損に備えて定期的にバックアップを取る必要があります。
・クラウドストレージなどで共有する
複数人で運用する場合はGoogle DriveやOneDriveなどのクラウドストレージにて共有することを推奨しています。
Excelでのロケーション管理のメリット
Excelの強みは誰しもが何かしらで一度は使用したことがあることです。ある程度関数を組んでしまって現場の方に入力するだけの状態で渡すことが出来ればすぐに運用を開始することが可能です。またExcelはほとんどの企業が倉庫管理だけでなく別の業務でも使っているケースが多いので導入費用がほとんどかからないのが特徴です。
Excelでのロケーション管理のデメリット
Excelでのロケーション管理は、費用もほとんどかからない、現場の人にも受け入れてもらえそう、自社の業務に合わせてカスタマイズ出来るというメリットがありますが、Excelでのロケーション管理にもデメリットがあります。ここからはExcel管理でのロケーション管理のデメリットについて解説していきたいと思います。
・動作が遅くなったり開かなくなったりしてしまう
ロケーション管理に関わらずExcelは容量が大きくなればなるほど動作が遅くなったり、ファイル自体開かなくなったりしてしまうことがあります。商品数やロケーション数が増えてきてExcelでの管理では限界だと感じた企業様が、本格的な倉庫管理システムへの乗り換えとしてWMSの導入を検討することも多いです。
・入力ミス・入力漏れが発生してしまう
Excelの入力作業に関してはロボットではなく人が行うことなのでどうしても入力ミスや入力漏れなどヒューマンエラーが発生してしまいます。特に入力項目が多ければ多いほどどれだけ注意していてもミスは発生してしまいます。
・複数人同時に更新するのが難しい
クラウドストレージを活用していない場合、複数の作業員が同時に作業するのが出来ないのがExcelです。これにより複数人が別々のファイルを更新してアップロードしてしまい、どれが最新のファイルなのか分からなくなってしまうなどの現象が発生してしまいます。
WMSでのロケーション管理
導入まで障壁の少ないExcelですが、アイテム数が多い倉庫や複数拠点ある大規模な倉庫での運用は限界があります。そのため、規模の拡大に合わせて将来的にはWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)の導入を検討が必要になることが多いです。適切なロケーション管理は「何が・どこに・いくつあるか」を把握できるだけでなく、出荷作業の効率化など様々な物流業務の効率化に繋がります。WMSでのロケーション管理のメリットはたくさんありますがヒューマンエラーの防止、リアルタイムでの情報更新ができるという点です。
WMSでのロケーション管理についてメリットを一部ご紹介します。
・在庫の見える化
WMSでは在庫がどこに何個あるのかを即座に確認することができます。ピッキング指示があったので保管場所に行ってみたけど在庫が無かったという事象を防ぐことができるので余計な移動時間の削減に繋がります。
・リアルタイムでの情報更新
ハンディターミナルを活用して全ての作業を行うことでシステム上に全ての情報が約2秒程度で更新がされます。例えば入出荷作業による在庫の増減などもハンディターミナルを介してリアルタイムで更新がされるので従来のExcel作業で発生していた記入作業や入力作業が必要なくなり、ヒューマンエラーの防止に繋がります。
・ロケーションの最適化
ABC分析などを用いてピッキング頻度の高い商品を取りに行きやすいロケーションを推奨してくれます。これによりピッキング作業の動線が短くなり作業時間を減少が見込めます。
その他にも基幹システムと連携して入荷情報を受け取ったり、出荷情報を戻したりすることやマテハン機器などと自動化連携することで、物流業務全体を最適化することもできます。
WMSでのロケーション管理は上記のようなメリットがある一方でExcelでの管理に比べて機能が豊富な反面、導入コストがかかります。また、運用方法によってはカスタマイズを要するケースもあり導入に時間がかかる為、すぐには使えないこともあります。加えて、作業スタッフによっては慣れるまで時間がかかってしまうこともあるので、ある程度の導入期間をかけて導入することがおすすめです。
WMS「COOOLa」で出来ること
ここからは弊社のWMS「COOOLa」で出来ることをご紹介します。
COOOLaは固定ロケーション、フリーロケーションと、どちらの方式にも対応しており、フリーロケーション管理では様々な設定が可能です。
(1)最大5階層の柔軟なロケーション管理
「建屋」「階層」「列」「連」「段」と最大5階層の設定が可能です。
(2)ロケーションの詳細設定
「フリーロケーション」のほか、「特定商品のみ棚入可能」、「不特定の1商品のみ棚入可能」と用途に合わせて柔軟な設定が可能です。
(3)異なる温度帯への棚入を防ぐ
食品など、保管で重要な「温度帯」設定も可能です。ロケーション・商品ともに温度帯を設定することで、異なる温度帯への棚入を防ぎます。
WMS「COOOLa」導入企業のロケーション管理の改善事例
WMS「COOOLa」の導入企業様で在庫状況の可視化と出荷作業の効率化に成功した事例をご紹介いたします。
導入前は、SKUや在庫数を把握できておらず、本部からの問い合わせに正確な回答を出すのに1週間近くかかっていました。また、定期的に実施する棚卸の際も大幅な誤差が生じており、解決策としてCOOOLaを導入しました。これにより、今までは現場スタッフの感覚に頼っていたロケーション管理を、システム上で管理し、そこに在庫数を当て込んで管理するようになり、ロケーション管理、在庫管理を効率化することに成功しました。
また、どこに何がいくつ保管されているのかをいつでもどこでも誰でも確認できるようになったため、入出庫時の移動の無駄な動きがなくなる、レイアウト変更もスムーズにできるなど、様々なメリットが生まれています。
まとめ
Excelのロケーション管理は、導入が簡単で誰でも使えるメリットがありますが、アイテム数の増加や、規模の拡大によって管理が難しくなるため、ミスを防止するためにもWMSとハンディターミナルを使用した検品がおすすめです。
ブライセンのクラウド型倉庫管理システム「COOOLa」は、物流・倉庫業務の生産性を徹底的に追求した倉庫管理システムです。柔軟なカスタマイズ性と手厚いサポートを備えていることから、貴社にとって最適な倉庫管理を実現できます。
倉庫内作業のロケーション管理に関する業務効率化にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。