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3PL(物流)とは?簡単にわかる仕組みと自社物流との違い・導入のメリットを解説

2026.03.30

システム

EC市場の拡大や物流の2024年問題を背景に、自社物流の維持が難しくなっている企業は少なくありません。そうした状況で注目を集めているのが「3PL(サードパーティー・ロジスティクス)」です。

しかし、「3PLとは具体的に何をしてくれるのか」「自社倉庫や運送会社への委託とどう違うのか」といった疑問をもつ担当者も多いのではないでしょうか。本記事では、3PLの定義から1PL・2PL・4PLとの違い、業務範囲、メリット・デメリット、導入を検討すべきタイミングまでを体系的に解説します。自社の物流課題を整理する際の参考にしてください。

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3PL(物流)とは?簡単に定義を解説

3PLとは「Third Party Logistics(サードパーティー・ロジスティクス)」の略称で、荷主企業に代わって物流専門事業者が物流業務を包括的に受託・実行する仕組みです。国土交通省の定義でも「荷主企業に代わって最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案をおこない、かつそれを包括的に受託し実行すること」と位置づけられています。

単に荷物を運ぶ・保管するだけでなく、物流の設計・改善提案まで含めた包括的なアウトソーシングが3PLの最大の特徴です。入庫から在庫管理、出荷・配送に至るまでの一連の物流オペレーションを一社に委託できるため、荷主企業は本来のコア業務へリソースを集中させることができます。

なお、国内3PL市場は2022年度に約4兆1,660億円規模まで拡大しており、EC化率の高まりやサプライチェーン再構築の需要を背景に、今後もさらなる成長が見込まれています。

1PL・2PL・4PLとの違いをわかりやすく比較

ロジスティクスには「どこまでを外部に委託するか」によって、1PL・2PL・3PL・4PLという段階的な区分があります。自社の物流体制がどの段階に該当するかを把握することで、3PLへの移行が自社に適しているかを判断しやすくなります。ここでは、各段階の特徴と違いを整理します。

  • 1PLとは
  • 2PLとは
  • 4PLとは

1PLとは

1PL(ファースト・パーティー・ロジスティクス)とは、荷主企業が倉庫・車両・人員をすべて自社で保有し、物流業務を自社完結でおこなう形態です。自社物流とも呼ばれ、物流の品質やオペレーションを完全にコントロールできる点が強みです。

一方で、倉庫の賃借・管理費、車両維持費、スタッフの採用・育成コストなどの固定費がすべて自社負担となります。事業規模が小さい段階や、物流品質に強いこだわりをもつ企業が選択することが多い形態です。

2PLとは

2PL(セカンド・パーティー・ロジスティクス)とは、輸送や保管など物流業務の一部を外部の物流専門業者に委託しながら、荷主企業が全体の管理を担う形態です。日本では「物流子会社」を保有する大手製造業・小売業がこれにあたり、企業数は国内に1,000社以上存在するといわれています。

グループ内に物流機能を置くことで一定のコスト最適化はできますが、物流全体の効率改善やノウハウの取り込みには限界が生じやすい点が課題です。

4PLとは

4PL(フォース・パーティー・ロジスティクス)とは、3PLにコンサルティング機能を加えた形態で、複数の3PL事業者を統括しながら荷主企業のサプライチェーン全体を最適化します。3PLが現場オペレーションの実行を担うのに対し、4PLは物流戦略の立案・改善提案・コスト削減まで踏み込んだ支援をおこないます。

大規模な多拠点・グローバル展開をおこなう企業で採用されることが多く、物流の高度化・複雑化に対応するための選択肢として注目されています。

自社物流と3PLの違い

「外部委託」という点では、倉庫業者や運送会社への依頼も3PLも同じように見えますが、その役割には大きな違いがあります。ここでは、倉庫業・運送業と3PLの違いを整理します。

  • 倉庫業・運送業は作業の実行がメイン
  • 3PLは物流の設計と実行がメイン

倉庫業・運送業は作業の実行がメイン

倉庫業者は「荷物を保管する」、運送業者は「荷物を運ぶ」という、それぞれの専門領域での作業実行が主な役割です。荷主企業が物流の全体設計・管理・改善を自社でおこない、各業者は指示に従って個別の作業を担う、という関係になります。

そのため、複数の業者を個別に管理する手間が発生します。また、在庫状況や配送状況の情報が分散しやすく、物流全体を一元的に把握・改善するには限界があります。

3PLは物流の設計と実行がメイン

3PLは、入庫から在庫管理・出荷・配送までの物流工程全体を一社が包括的に受託し、さらに物流の効率化提案や改善施策の立案までおこないます。荷主企業の立場に立って最適な物流システムを設計・実行することが、3PLの本質的な役割です。

情報の一元管理が可能になるため、在庫状況のリアルタイム把握や、需要変動に合わせた柔軟な対応もしやすくなります。物流を「コスト部門」から「戦略的機能」へと転換させる手段として、多くの企業が3PLを選択しています。

3PLでカバーできる業務範囲とは

3PLが対象とする業務は、物流の上流から下流まで幅広く及びます。ここでは、代表的な3つの業務領域を解説します。

  • 入庫
  • 在庫管理
  • 出荷・配送

入庫

入庫業務とは、仕入先・メーカーなどから届いた商品を受け取り、検品・仕分け・棚入れをおこなう工程です。3PLでは、商品の数量確認・破損チェック・バーコードスキャンによる登録までを一貫して担うため、荷主企業は入荷対応の手間から解放されます。

また、入庫データはシステムで即時に記録されるため、在庫情報とリアルタイムに連携されます。入荷ミスや遅延を防ぐための品質管理体制も整っており、受け取り精度の向上も期待できます。

在庫管理

在庫管理では、商品の保管場所・数量・ロット・賞味期限などをWMS(倉庫管理システム)で一元管理します。先入れ先出し(FIFO)の徹底や、在庫の適正水準の維持もシステムがサポートするため、廃棄ロスや欠品リスクを低減できます。

荷主企業はシステムを通じてリアルタイムで在庫状況を確認できるため、発注タイミングの判断や需要予測にも活用しやすくなります。多拠点で在庫を抱えている企業ほど、一元管理によるメリットを実感しやすい領域です。

出荷・配送

出荷業務では、受注データに基づくピッキング・梱包・ラベル貼付・配送手配までを3PL事業者が担います。配送会社との交渉・手配も含まれるため、荷主企業が個別に運送業者を管理する必要がなくなります。

3PLは複数の荷主企業の配送量をまとめて扱うため、単独発注よりも有利な配送単価を実現しやすい点も大きなメリットです。配送状況のトラッキングや返品・交換対応もカバーする事業者も多く、顧客対応品質の向上にもつながります。

3PL事業者の2つの種類

3PL事業者は、自社で物流施設や車両などの資産を保有するかどうかによって、大きく2つのタイプに分けられます。事業の特性や委託したい業務の内容によって適したタイプは異なるため、導入前に違いを理解しておくことが重要です。

  • アセット型3PL
  • ノンアセット型3PL

アセット型3PL

アセット型3PLとは、倉庫・車両・システムなどの物流資産を自社で保有・運営するタイプです。自社設備を活かして安定かつ高品質なオペレーションを提供できるため、保管量が多く安定した物流インフラを求める企業に向いています。

施設・人員・システムを一括して提供できる点が強みで、荷主企業は複数業者を管理する手間が省けます。一方で、保有資産の制約から対応できる地域やサービス範囲が限られる場合もあります。急激な物量変動への対応が、ノンアセット型と比べてやや難しいという面もあります。

ノンアセット型3PL

ノンアセット型3PLとは、自社で倉庫や車両を保有せず、複数の倉庫業者・運送業者をネットワークとして組み合わせて物流サービスを提供するタイプです。固定資産を持たない分、物量の増減や拠点変更への柔軟な対応が可能で、EC事業者や季節変動が大きい業種と相性がよい形態です。

コーディネーション能力や情報システムの質がサービス品質を左右するため、事業者選定の際には管理体制や実績の確認が重要です。また、複数の外部パートナーを束ねる構造上、連携の品質管理にも注意が必要です。

3PLを導入するメリットとデメリットの比較

メリット デメリット
コスト 固定費を変動費化でき、物量に応じた最適化が可能 委託費用が発生し、自社運用より高コストになる場合がある
専門性 物流のプロによる高品質なオペレーションを活用できる 社内に物流ノウハウが蓄積されない
柔軟性 物量の増減や拠点変更に柔軟に対応できる 事業者変更時の切り替えコスト・工数が大きい
管理負荷 採用・育成・シフト管理などの負担を外部化できる 細かな品質要件や自社ルールの反映が難しい場合がある
情報管理 在庫・配送状況をリアルタイムで一元把握できる 情報共有・連携不足によるトラブルリスクがある

3PLの最大のメリットは、倉庫費・人件費・システム費などの固定コストを変動費化できる点です。自社物流では物量が少ない時期も固定費が発生し続けますが、3PLでは取り扱い量に応じたコスト構造に転換できます。EC事業の拡大期や季節変動が大きい業態では、とくにこの柔軟性が経営上の大きな強みになります。

一方で注意すべきなのは、物流ノウハウが社内に蓄積されない点と、事業者との連携不足によるトラブルリスクです。3PLに委託したまま運用実態の把握を怠ると、品質低下や情報伝達の遅延が生じるケースもあります。導入後も定期的なレビューや担当窓口との密な連携を継続することが、3PLを成功させる鍵となります。

3PL導入を検討すべきタイミング

3PLはどの企業にも適しているわけではなく、自社の状況に応じた導入判断が必要です。以下のような状況に当てはまる場合、3PLの活用を具体的に検討する価値があります。

  • EC事業の拡大で物流業務が手に負えなくなったとき
  • 倉庫スタッフの採用・育成コストが増大してきたとき
  • 多拠点展開や海外進出で物流が複雑化してきたとき

EC事業の拡大で物流業務が手に負えなくなったとき

EC事業が成長するにつれ、受注件数の増加・SKU数の拡大・返品対応の複雑化など、物流業務の負荷は急速に増大します。自社で対応しようとすると倉庫スペースの拡張・スタッフの増員・システム投資が同時に求められ、本来注力すべき商品開発や販売施策に手が回らなくなります。

こうした状況では、3PLへの委託によって物流オペレーションを切り出し、成長にあわせた柔軟なスケールアップを実現することが有効です。繁忙期の物量増加にも、3PLなら自社設備を増強することなく対応できます。

倉庫スタッフの採用・育成コストが増大してきたとき

物流現場は人手不足が深刻で、採用コストの上昇・定着率の低下・教育コストの増大が続いています。自社での人員確保が困難になると、オペレーションの安定性が損なわれ、出荷遅延や誤出荷といった品質問題に直結するリスクがあります。

3PLに委託することで、人員確保・育成・シフト管理などの負担をまるごと外部化できます。また、3PL事業者は物流に特化した人材を組織的に確保・育成しているため、安定した品質でのオペレーションが期待できます。採用コストの削減だけでなく、人件費の変動費化にもつながります。

多拠点展開や海外進出で物流が複雑化してきたとき

国内の複数拠点や海外向けの物流対応が必要になると、各拠点の在庫管理・配送ルートの最適化・輸出入手続きなど、物流の複雑度が一気に高まります。自社でこれを管理しようとすると、専門知識をもつ人材の確保と膨大なシステム投資が必要です。

グローバルネットワークや多拠点対応のノウハウをもつ3PL事業者に委託することで、自社投資を最小限に抑えながら迅速な拠点展開が可能になります。海外進出時の現地の法規制対応や通関手続きについても、3PL事業者がサポートするケースが多く、リスクの低減にもつながります。

まとめ

3PLとは、荷主企業に代わって物流専門事業者が入庫・在庫管理・出荷・配送までを包括的に受託・実行する仕組みです。単なる作業の外注にとどまらず、物流の設計・改善提案まで含む点が、倉庫業・運送業への個別委託との大きな違いといえます。

アセット型・ノンアセット型の特徴を理解したうえで自社に合った事業者を選ぶことが重要で、EC拡大・人手不足・多拠点化といった課題を抱える企業ほど、3PL導入による恩恵を受けやすい状況にあります。委託後も事業者との連携を継続し、品質管理を怠らないことが成功の前提となります。

物流コストの最適化と本業へのリソース集中を両立する手段として、3PLの活用を検討してみてください。

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