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ロケーション管理とは?倉庫管理システム(WMS)を使った在庫管理方法もご紹介

2023.11.09

倉庫業務・管理

物流倉庫で在庫管理をする上で欠かせないのが、ロケーション管理です。

ロケーション管理をすることにより、在庫が「どこに・いくつあるか」を把握できます。近年では在庫の保管期間が短くなり、在庫の回転率が速くなってきています。そのため、正しくロケーション管理を行うことが、物流倉庫の作業効率の良し悪しにも関わってきます。そこで今回は、主なロケーション管理の方法について見ていきましょう。

ロケーション管理とは

まずロケーションとは、倉庫内の在庫保管場所のことです。ロケーション管理とは、倉庫内のロケーションに対して決めた方法で在庫を管理することです。在庫の増減や商品入れ替えの頻度によって管理方法が異なります。適切なロケーション管理をすることで、保管効率や作業効率の改善に繋がるため、物流倉庫におけるロケーション管理はとても重要です。

【関連コラム】
倉庫におけるロケーション管理とは?

ロケーション管理のメリットとは

ロケーション管理をすることによるメリットは大きく3つあります。

在庫数量の適正管理

倉庫管理において、商品の在庫数は、出荷数に合わせて変わってきます。ロケーション管理を行うことで、商品ごとの管理場所を適正化でき、在庫数の確認もしやすくなるため、適正な在庫管理ができます。適正に管理できることで、過剰な在庫を抱えることもなくなるため、保管効率も向上します。

【関連コラム】
物流のコストを削減するにはまず在庫から

作業効率の向上

ロケーション管理ができていない倉庫の場合、どこに何の商品があるかが明確ではなく、作業効率が下がってしまいます。ロケーション管理をすることで、商品の保管場所が明確になり、作業の標準化が図れるため作業効率が向上します。また出荷数にあわせて管理場所を適正化することで、商品ごとの作業効率も向上させることができます。

ピッキングミスの削減

ロケーション管理をすることで、商品の管理場所が明確になるため、ピッキングミスを削減することができます。ピッキングミスが発生すると、後の工程でも確認作業が発生し、解決に時間がかかってしまいます。ロケーション管理することで、ピッキング作業だけでなく、全体の作業効率の改善につながります。

ロケーションでの商品の置き方について

倉庫でロケーション管理をする際の、商品の置き方をご説明します。

・ラック

商品をラックに置いて管理する方法がロケーション管理での一般的な管理方法です。
ラックを使用することで、商品を上にも並べて保管できるため、少ないスペースで多くの商品を管理することができます。また一つの場所で多くの商品をピッキングすることができるため作業効率もあがり、ミスも少なくなります。

・平置き

床に直接線を引いてロケーション番号を指定し、その中に商品を置いて管理することを平置きと言います。スペースが必要になるため、作業効率は良くありませんが、大きな商品や、重い商品を管理する際にはよく用いられる置き方です。商品を直接床に置いたりもしますが、パレットを使用し、フォークリストで運んだりすることもあります。

在庫の保管方法

一番はじめに考えなければいけないのは、在庫の保管方法です。
在庫の保管方法には、大きく分けて「固定ロケーション」と「フリーロケーション」があります。

・固定ロケーション

固定ロケーションとは、商品ごとに保管するロケーションを固定にする方法です。固定ロケーションは、どこに何を保管するのか、あらかじめ決まっているため、作業員が覚えやすいのが特徴です。また、固定ロケーションでは決まった場所に1種類の商品しか保管していないため、在庫が減っているかを一目で確認できます。
一方で、商品が減って空きスペースが出てしまったり、空きスペースが活用できないため、新しい商品の保管場所を探す必要があるなどのデメリットもあります。大型部品や家具など、在庫の増減や商品の入れ替えが少ない場合は「固定ロケーション」で管理することが一般的です。

・フリーロケーション

フリーロケーションとは、空いているロケーションに保管する方法です。フリーロケーションは、入荷時に保管場所を確認する手間が省けるのが特徴です。また、固定ロケーションのように空きスペースが出ないため、保管効率も上げることができます。
一方で、ロケーションが決まっていないので、出荷する商品がどこにあるのかを確認する手間がかかってしまいます。雑貨やアパレルなど、商品の変動が激しい商品の場合は、「フリーロケーション」で管理することが多いです。

このように、在庫のロケーション管理は扱っている商品に合わせた管理が必要になります。

1ロケーションで管理する商品数

ロケーション管理をする上で、1ロケーションに1商品だけを保管するほうが、管理のしやすさなどメリットがあります。しかし、保管スペースやセット商品、出荷の動向などにより1ロケーションで複数商品を管理しなければいけない場合もあります。1ロケーションで複数商品を管理する場合は、保管スペースの広さや商品の大きさなどを確認し、適切なロケーション管理をすることが重要です。

・ダブル・トランザクション方式

ある商品を大量に出荷する場合、その商品を “出荷場に近いロケーション” で “出荷数量より多め” に保管することが、作業効率の良いロケーション管理となるのでしょうか?

ロケーション管理の中で「ダブル・トランザクション方式」という仕組みがあります。
「ダブル・トランザクション方式」は以下の2つロケーションエリアを定めます。

  • ピッキングエリア:主にケースなどの少量の荷姿単位で在庫を保管し、出荷時にはピッキングエリアを先に在庫引当を行う。
  • ストックエリア:主にパレットなどの大きい荷姿単位で保管し、ピッキングエリアに在庫が少なくなったら補充する。

「ダブル・トランザクション方式」は出荷対象のロケーションの数が少なくなり作業効率が上がりますが、ロケーション全体の数は多くなるため、十分なスペースを確保したり、段を複数もたせる必要があります。

・建屋,階層,列,連,段

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その場合、以下のようにロケーションを配置するのが一般的とされています。

  • 建屋:倉庫1棟のことを指します。
  • 階層:倉庫内の1階、2階やフロアのことを指します。
  • 列:階層の中の1列を指します。
  • 連:列の中のひとつの棚を指します。ラックやネステナーを指します。
  • 段:連の中の段を指します。

ロケーション管理をする上で、荷主の商品にあったラックやネステナーを組み合わせることによって、作業効率を上げることが可能です。

ロケーション管理ができるツール

ロケーション管理ができるツールにはいくつかの種類があります。ここでは代表的なものとして、エクセル、アプリ、WMSそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

●エクセルでのロケーション管理

・メリット

エクセルは多くの企業が既に利用しているため、追加のコストがかからないことが多いです。ユーザーが自由にフォーマットを作成し、必要に応じてカスタマイズできるため、自由度の高い管理が可能です。また、基本的な使い方を知っている人も多いため、導入・運用のハードルが低いです。

・デメリット

エクセルは手動でデータを入力するため、入力ミスや更新漏れなどの人的ミスが発生しやすいです。データ量が増えると、遅くなったり管理が複雑になるため、データ量に制限あります。また複数のユーザーが同じ時に更新することができず、リアルタイムでの在庫状況の共有が困難です。

●アプリでのロケーション管理

・メリット

スマートフォンやタブレットからアクセスできるため、倉庫内外を問わずリアルタイムで情報を確認・更新できます。また直感的な操作が可能なアプリも多く、使いやすい場合が多いです。さらに、バーコードスキャナーなどのデバイスと連携し、データ入力を自動化できることもあります。

・デメリット

一方でアプリは不具合やサーバーの障害があると、アプリが使えず業務に支障が出る恐れがあります。また、アプリにセキュリティホールがあると、データ漏洩のリスクがあります。機能面ではカスタマイズしにくい場合も多く、自社特有の条件に対応するのが難しい場合があります。

●WMSでのロケーション管理

・メリット

WMSでのロケーション管理はハンディターミナルを使用してバーコードを読み取ることで、どこの棚に何がいくつあるのかが自動で計測されるため、ロケーション管理や棚卸の業務効率を大幅に改善します。また、ロケーションを変更するときも、どの位置にどの荷物を置くのかが検討しやすくなります。在庫管理、ピッキング、在庫補充などを自動化することで、作業の効率化と配送までのリードタイムの短縮を実現します。また在庫のリアルタイム追跡が可能で、正確な在庫数とロケーション管理が実現できます。ピッキング時の動線を指示してくれるので、探しにいく時間を無くし業務の無駄を減らします。さらに、基幹システムやTMS、WCSなどと連携することで、物流業務全体を最適化することもできます。

・デメリット

WMSはアプリやエクセルと比較すると機能が豊富な反面、導入コストが高いです。また、専門性の高いシステムなので、作業スタッフには使うための教育が必要になります。カスタマイズなどを行う場合は導入に時間がかかるため、すぐに使えないこともあります。

このようにそれぞれ特長が異なるため、企業の規模や、導入目的、求める機能に応じた最適なロケーション管理方法を選択することが重要です。

●WMS「COOOLa」導入企業のロケーション管理の改善事例

スポーツ系アミューズメント機器を手掛ける企業様では、WMS「COOOLa」の導入によって在庫状況の可視化、出荷作業の効率化に成功しました。
導入前は、在庫数やSKUが把握できておらず、正確な数値を出すのに1週間近くかかっていました。また、棚卸の際も大幅な誤差が生じており、それらの解決策としてCOOOLaを導入しました。これにより、従来は各スタッフの感覚で行っていたロケーション管理を、システム上でロケーション設定し、そこに在庫数を当て込んで管理するようになり、ロケーション管理、在庫管理を効率化することに成功しました。また、何がどこに保管されているのかをいつでも誰でも確認できるようになったため、入出庫時の移動の無駄な動きがなくなる、レイアウト変更もスムーズにできるなど、様々なメリットが生まれています。

COOOLaで出来るロケーション管理

COOOLaでは固定ロケーション、フリーロケーションと、2つの方式の管理に対応しており、特にフリーロケーション管理では様々な設定が可能です。

(1)最大5階層の柔軟なロケーション管理

「建屋」「階層」「列」「連」「段」と最大5階層の設定が可能です。細かく荷物を置く場所を設定できます。

(2)ロケーションの詳細設定

「フリーロケーション」のほか、「特定商品のみ棚入可能」、「不特定の1商品のみ棚入可能」と用途に合わせて柔軟な設定が可能です。

(3)異なる温度帯への棚入を防ぐ

食品など、保管で重要な「温度帯」設定も可能です。ロケーション・商品ともに温度帯を設定することで、異なる温度帯への棚入を防ぎます。

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