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ハンディターミナルでのピッキング作業の改善方法とは

2024.07.17

倉庫業務・管理

政府が推進する働き方改革の影響もあり物流倉庫では扱う物量を保つ、または増やしつつもミスを減らして余計な時間が発生することを防ぐためにハンディターミナルを導入する企業が増えております。また物流倉庫だけでなく製造業・メーカー企業でも部品・製品の管理をより正確にするためにハンディターミナルの導入をする企業が増えてきております。今回は手作業とハンディターミナルでのピッキング作業の違いや導入のメリットについてご紹介いたします。

ピッキングとは

ピッキングとは、物流倉庫で商品の注文に応じて在庫から品物を取り出す作業を指します。ピッキング作業は、注文を迅速かつ正確に処理するために欠かせない工程であり、顧客満足度の向上や効率的な物流運営に直結する重要な作業です。ピッキングの代表的なやり方をご紹介します。

1.シングルピッキング

シングルピッキングは注文があるごとに個別にピッキングを行う方法です。小規模な注文や、多品種少量の注文に適しています。

2.トータルピッキング

トータルピッキングは複数の商品をまとめてピッキングし、集まった商品を発送先ごとに分けることで効率的にピッキングする方法です。

手作業で行うピッキングの課題

手作業で行われるピッキングは、小規模な倉庫や特定の商品を扱う場合において依然として広く用いられています。しかし、手作業でのピッキングにはいくつかの課題が存在し、効率化や正確性の向上が求められています。
手作業で行うピッキングの主な課題を説明します。

1.効率が悪い

手作業でのピッキングは、作業者が倉庫内を移動しながら商品を集めるため、効率が低くなりがちです。特に、商品の配置が不適切であったり、ピッキングリストが最適化されていない場合、作業者は無駄な動きを強いられます。これにより、ピッキングにかかる時間が増加し、全体の出荷プロセスに遅れを生じさせる可能性があります。

2.ヒューマンエラーが発生しやすい

手作業は人間が行うため、どうしてもヒューマンエラーが発生しやすくなります。商品の取り間違いや数量の誤りは、顧客満足度を低下させ、返品や再出荷といった追加コストを生む原因となります。特に、繁忙期や複雑なオーダーが多い場合には、エラーの発生率が高まる傾向にあります。

3.作業者の負担が大きい

手作業でのピッキングは、作業者にとって肉体的な負担が大きい作業です。長時間の立ち仕事や重い荷物の持ち運びは、作業者の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、単調な作業が続くことで、集中力が低下し、結果的にエラーの増加につながることもあります。

4.スキルのばらつきがある

手作業でのピッキングは、作業者のスキルや経験に大きく依存します。熟練した作業者は効率的に作業をこなすことができますが、新人や経験の浅い作業者は効率が低く、エラーも発生しやすくなります。スキルのばらつきがあると、全体の作業効率に影響を及ぼします。

このように、手作業でのピッキングには課題があることから、ハンディターミナルでのピッキングを検討する企業が増えています。

ハンディターミナル(HTT)とは

ハンディターミナルとは主に、倉庫作業に使われ物流業界で業務用として取り扱うことのできるハンディサイズ作業端末のことです。近年では物流業界ではなく製造業・メーカー企業の自社内の物流でも扱われることが多くなってきました。別名“ハンドヘルドターミナル”とも呼ばれていますが一般的にはハンディと呼ばれることが多いです。バーコードやQRコードの読み取り機能やテンキーが搭載されており、無線通信やUSB接続でサーバーとのやりとりをおこないます。倉庫などで使用されることを前提としている為、落としても壊れないように頑丈に作っており、長時間作業を行えるよう長時間バッテリーが搭載されています。

ハンディターミナルの導入が進んでいる理由

物流業界・製造業・メーカーではハンディターミナルの導入が進んでいるのが現状です。
なぜここまで導入が進んでいるのかご紹介します。
冒頭でもお伝えしましたが政府が推進する働き方改革の影響が大きいと思われます。加えて人手不足による現場で稼働できる人数が少なくなってきており、少ない人数でも現場を回さなければならない。しかし一方で扱う物量も確保しなければいけない。この状況下では従来の作業の無駄を徹底的に省く必要があります。そういった背景もあり、ハンディターミナルの導入が進んできました。

ハンディターミナルを使うメリット

では具体的に導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか?

・ヒューマンエラーの削減

ハンディターミナルを導入することで期待できるメリットの1つとしてはヒューマンエラーの削減です。従来の入出荷作業や在庫管理は人の手作業や目視に頼ることが多く、どんなに気を付けていてもヒューマンエラーが起こりがちです。特に入出荷時の検品やピッキング作業の際には商品とリストの照合を目視で行うケースが多く、商品の間違いや個数間違いが発生しがちです。そこにハンディターミナルを導入することで入荷予定リストなどに表示されたバーコードと異なる商品を読み込んだ時点で商品違いがあればその場で気づくことができるためヒューマンエラーの削減が可能になります。

・リアルタイムでの在庫状況の把握

ハンディターミナルを活用し入出荷作業を行うことで読み取った情報を在庫管理システムや倉庫管理システムにリアルタイムで反映することが可能になるので、従来の手作業で紙に記入してExcelに転記する作業時間の削減につながります。また情報を転記する際のミスを減らすこともできるので在庫のズレが生じにくくなり、棚卸し作業の時間も半分以下になったという企業様もいらっしゃいます。

次にハンディターミナルとWMSを導入するとどういう効果が期待できるのか解説します。

ハンディターミナルとWMSを導入する効果

・作業時間の短縮

ハンディターミナルを用いたバーコードスキャンにより、商品情報の入力が一瞬で完了します。手動での入力と比べて大幅に時間が短縮され、作業スピードが向上します。

・ピッキングの効率化

WMSは最適なピッキングルートを提案します。これにより、作業者が倉庫内を無駄に歩き回ることなく、効率的にピッキングを行うことができます。

・リアルタイム更新

在庫情報のリアルタイム更新: 商品の入出庫時にハンディターミナルでバーコードをスキャンすることで、WMSが在庫情報をリアルタイムで更新します。これにより、在庫の正確な状況が常に把握できます。

・正確性の向上

バーコードスキャンによる自動データ入力により、手動入力に伴う誤りが排除されます。例えば、商品の品番や数量の入力ミスがなくなります。

・検品作業の精度向上

出荷前の検品作業においてもハンディターミナルを使用することで、正確な出荷が保証されます。

・在庫の可視化

WMSは商品の保管場所を正確に記録・管理します。これにより、必要な商品を迅速に見つけることができ、在庫管理の精度が向上します。

まとめ

今回はハンディターミナルでのピッキング作業の改善方法について紹介しました。
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