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製造業の在庫管理の課題を解決!
倉庫管理システムの選び方

2023.06.26

システム

製造業では、原材料から仕掛品、完成品まで製品に必要なモノを、適切な状態で倉庫に管理・保管する在庫管理が行われています。
その在庫管理にシステムを利用することで、管理業務が効率化します。今回は、既存の製造業における在庫管理の課題が、倉庫管理システムでどのように効率化するのかをご紹介します。

製造業における在庫管理の目的

まず、製造業における在庫管理という業務の特性と目的を確認しておきましょう。

●製造業の扱う在庫の種類

製造業で「在庫」というと、主に3種類に分かれます。一つ目は、製造業の最終的に製造する製品、つまり「完成品」です。二つ目は、製品を製造するのに必要な「素材」です。組立・加工製造では部品、プロセス製造では原料を指します。また製造途中の製品を指す「仕掛品(しかかりひん)」も在庫の一種です。

●在庫管理の目的

製造業における在庫管理の目的は、素材、仕掛品、完成品のすべての在庫状況を見える化し、過不足があればアラートを出し、適正在庫を確保することにあります。

在庫切れは機会損失や顧客満足度低下をもたらし、クレームのリスクも高まります。反対に在庫過剰は廃棄ロスや保管スペースコストの無駄などのデメリットが生じます。これらのリスクやデメリットを減らし、利益を最大化することが在庫管理の目的です。

製造業における在庫管理のよくある課題

製造業における在庫管理業務においては、次のような課題がよく発生します。課題の中身を解説していきます。

●紙での記録・管理によるデメリット

在庫を紙伝票に記載して管理している場合、人による手書きでの記載や管理になるため、どうしても記載ミスや紛失のヒューマンエラーのリスクが生じます。

さらに目視によるカウントはカウントミスのおそれがあるため、より正確さが低下してしまいます。紙での管理は最新の在庫状況の共有性が低下することから誤発注などのデメリットもあります。
このことから、在庫予測の精度の低下や業務の非効率化などの課題が生じます。

●在庫が合わない・棚卸のズレ

多くの場合に、生産管理システムと在庫管理を連動させて行われますが、在庫が合わないという課題はよくあります。棚卸すると数字にズレが大きいというのもよくあるお悩みです。棚卸を頻繁に行い、在庫を合わせるしかなくなってきてしまうため、業務負荷が高くなります。

●在庫欠品による販売機会の損失

きちんと在庫管理ができていなければ、注文が入ったときに在庫欠品に陥るリスクがあります。すぐに製造できる完成品であればまだ良いですが、入荷に時間がかかる部品や原材料が欠品した場合、納品までの期間が長期化してしまいます。

いずれにしても商品を購入しようと決断した顧客に対して、販売ができないといった販売機会の損失は免れません。クレームや顧客満足度の低下を招いてしまいます。

●過剰な在庫リスク

在庫管理が徹底できていないと、過剰な在庫を生み出す恐れもあります。過剰に在庫を抱えることは、製品や素材の陳腐化や品質劣化を招き、価値の低下を引き起こします。さらに廃棄ロスや、保管スペースを無駄に使用するためコストに無駄が出るなどのデメリットが生じます。

●素材の急な増減に倉庫スペースなどが対応できない

在庫管理の予測ができていないと、万が一、部品が急に増えた場合に、保管する十分な保管スペースがなく、無理やり格納することになります。結果的に整理整頓できずに、入出庫の際にミスが起きやすくなります。

これらの課題解決策として、倉庫管理システムの導入が有効です。

製造業が倉庫管理システムを導入するメリット

先にご紹介したような在庫管理の課題を解決するには、倉庫管理システムの活用がおすすめです。
倉庫管理システムの概要と共に、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。

●倉庫管理システムとは?

倉庫管理システムとは、倉庫の中で行われるあらゆる業務の管理ができるシステムです。倉庫内の業務やロケーション管理、入出庫に伴う在庫管理、納品書の作成などの一連業務を効率的に実施することができます。

●倉庫管理システムを導入するメリット

・人的ミスの削減

倉庫作業を人手で行う場合、どうしても一定のミスは起きてしまうため、時間のロスや無駄なコストがかかってしまいます。しかし、倉庫管理システムを導入することでハンディターミナルとバーコードで作業ができるため、作業精度の向上によるミスの削減、業務効率化に繋がります。

・在庫状況の可視化による最適化

倉庫管理システムは在庫数をデータ化することができるので、余剰在庫の早期発見が可能です。また、賞味期限管理や先入れ先出しも管理できるため、これまで発生していた商品ロスを削減することも可能です。

・機会損失の防止

倉庫管理システムによって出荷状況をデータ化できると、どの時期に発注が多いか、という需要予測が立てやすくなります。そのため、リアルタイムで反映される在庫情報を見ながら、需要予測をもとに最適な在庫量を保つことができるようになるのです。

・適切なロケーション管理による保管効率の向上

在庫状況が可視化できるようになると、余剰在庫が少なくなるのでロケーション管理もしやすくなります。そのため、限られた倉庫内のスペースを最大限活用することができ、保管効率の向上が実現できます。

【関連コラム】
在庫管理の課題とシステムを導入するメリット

製造業における倉庫管理システムの選び方

これまでお伝えしたように、倉庫管理システムは製造業の在庫管理の様々な課題が解決できるツールです。しかし、さまざまなツールの中から自社にあったものを選ばないと、導入が逆効果になることもあります。ここからは課題解決に繋がる倉庫管理システムの選び方のポイントをご紹介します。

●倉庫管理システム選定のポイント

・目的に合っているか

倉庫管理システムを導入する目的を明確にし、その目的に合っているものを選ぶことが肝心です。よくある目的としては、作業効率化、ミスの低減、確実性向上、コスト削減、リアルタイムによる在庫管理などが挙げられます。これらの目的のうち、自社の目的を達成できる機能のあるものを選ぶ必要があります。

・生産管理システムと連携できるか

倉庫管理システムを導入する場合、生産管理システムと連携できるかどうかも一つの選定ポイントです。連携できなければ手動でデータを移動するなどして連携させなければならないため、無駄な労力が発生してしまいます。
もし、既存の機能として連携の仕組みが備わっていない場合には、カスタマイズができるシステムを選ぶのも良いでしょう。

・複数の拠点や品目の一元管理が可能か

複数の倉庫や品目がある場合には、それらのすべての在庫を統合した管理が可能かどうかが重要になってきます。一括管理できるシステムであれば、手間が削減できたり、在庫を各拠点で迅速に共有できることで機会損失につながったりなど、多大なメリットが期待できます。

・ロット管理の手法が自社に適しているか

倉庫管理システムを用いることで、ロット(生産・出荷の最小単位)を指定したり、正しい順番での出荷指示を行ったりすることが可能です。バーコードによる管理など、ロット管理の手法が自社の仕組みに適しているかどうかは重要な見極めポイントです。

・メインの在庫管理機能以外の機能が自社に合っているか

多くの倉庫管理システムでは、在庫管理などの基本的な機能のほか、オプション機能を用意しています。例えば、送り状発行機能やBIツール機能、画像検品システムなどが利用できるシステムもあります。それらの機能を役立てられるのであれば、そのシステムを導入するメリットは大きくなるでしょう。

まとめ

製造業に重要になる在庫管理の最適化や課題解決のために、倉庫管理システムの利用は有意義なものといえます。選定の際には、ぜひご参考にしてください。

ブライセンが提供する、クラウド型倉庫管理システム「COOOLa」は、入出荷/入出庫や照会、棚卸などの在庫管理に役立つ基本機能に加えて、送り状発行機能、BIツール機能、画像検品システムなどの豊富なオプション機能を備えています。

さらに、柔軟なカスタマイズ性を有しており、汎用性と拡張性を両立した使い勝手の良い倉庫管理システムの運用が可能です。

導入実績やサポート面も充実しており、お客様の課題解決のためのご提案・サポートにも対応しております。ぜひお気軽にご相談ください。

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