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ピッキングミスを防止するには?おすすめの対策方法もご紹介

2024.06.24

倉庫業務・管理

ピッキング作業とは、倉庫や物流センターなどで、注文に基づいて商品を選び出し、出荷準備を行う作業のことです。ピッキングは、物流プロセスにおいて非常に重要な役割を果たし、効率的なピッキングが迅速な出荷と顧客満足度向上に直結します。一方でピッキングミスが起きやすく、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回はピッキング作業の詳細や、ピッキングミスの対策方法について説明します。

ピッキングの方法

ピッキングには、大きく分けて2つの方法があります。

シングルピッキング

シングルピッキングとは注文ごとに個別にピッキングを行う方法です。「摘み取り方式」とも呼ばれており、一つの注文に対して商品棚からひとつずつ商品を取っていくスタイルが畑に育った野菜や花を摘み取る様子に似ていることから呼ばれるようになりました。この方法は、小規模な注文や単品注文に対して有効です。

トータルピッキング

トータルピッキングとは複数の注文をまとめてピッキングする方法です。「種まき方式」とも呼ばれており、一度にまとめてピッキングを行い、再度発送先ごとに振り分ける作業が種をまいている姿に似ていることから呼ばれるようになりました。この方法は多くの注文があり、同じ商品が複数の注文に含まれている場合に特に効果的です。

ここからは本題のピッキングミスについて紹介したいと思います。

よくあるピッキングミスの種類

見た目が似ている商品のピッキング

見た目が似ている商品や包装が似ている商品を間違えてピッキングしてしまうミスです。例えば、ポテトチップスのり塩味は見た目がほぼ同じにも関わらず60g、80g、110gという風に、見た目が似ているけど重さが違うなどの商品が多数あります。確認すれば分かることですが時間に追われており、とりあえず見た目でピックしてしまいミスにつながるケースが多いです。また、こういった商品は倉庫内で隣接して置いているケースも多く、ミスが起こりやすいです。

数の間違い

出荷指示と異なる数をピックしてしまうミスです。出荷指示では5個ピック指示が出ていたのにも関わらず6個ピックしてしまうミスです。丁寧に商品の数を数えて5個取ったつもりが、商品が重なっていたことに気づかず6個持ってきてしまったなどのケースもあるとのことです。

リスト自体が誤っている

そもそものピッキングリストに誤りがあるミスです。荷主から送られてきた出荷指示が間違えていた、荷主からの出荷指示をExcelなどに転記した際に違う商品を記載してしまった、口頭で追加の出荷指示されたことを記載し忘れて現場の作業員に渡してしまったというミスもあるとのことです。

ピッキングミスが起きる原因

「ピッキングミスが多い人をどう改善したらいいか」とお悩みの方も多いですが、原因は人ではなくやり方や環境による部分も多いです。ここからはピッキングミスが起きる原因の一例をご紹介します。

1.ヒューマンエラー

ピッキング作業は人手に頼る部分がほとんどですので、当然人の作業ミスが多いでしょう。疲労や集中力の欠如、経験不足などが原因で、商品を間違えてピックしてしまうことがあります。また、似たような商品が多い場合、特に注意が必要です。

2.不適切なラベルやバーコード

商品のラベルやバーコードが不鮮明だったり、誤った情報が記載されている場合、ピッキングミスが発生しやすくなります。正確な情報が提供されていないと、作業員が誤った商品を選んでしまう可能性が高まります。

3.倉庫内の配置ミス

倉庫内の配置が混乱していると、ピッキングミスのリスクが増大します。商品が適切な場所に配置されていないと、作業員が正しい商品を見つけるのが難しくなります。効率的な配置と整理整頓が求められます。

4.不十分な教育・訓練

新しい作業員や経験の浅い作業員が十分な教育や訓練を受けていない場合、ピッキングミスが発生しやすくなります。また、特定の作業がミスが多い、ということもあるでしょう。適切な教育、マニュアル整備や訓練を通じて、作業員が正確に仕事を行えるようにすることが重要です。

5.システムの不具合

ピッキング作業をサポートするシステムに不具合がある場合も、ミスが発生する原因となります。例えば、在庫管理システムが正確な情報を提供しない場合、作業員が誤った商品をピックしてしまう可能性があります。

6.環境要因

倉庫内の照明が不十分だったり、作業環境が過度に騒がしい場合、集中力が低下し、ピッキングミスが発生しやすくなります。作業環境を整えることも、ミスを減少させるための重要な要素です。

ピッキングミスを放置するデメリット

ピッキングミスは問題だと認識しつつも、つい放置してしまうことも多いのではないでしょうか。ピッキングミスを放置することで、企業にとって多くのデメリットが発生します。

・顧客満足度の低下

まず、顧客満足度の低下が挙げられます。ピッキングミスにより、顧客に誤った商品が届くと、不満に繋がり信頼を失う可能性があります。特にECサイトでの購入が普及している現代では、顧客が簡単に他の競合企業に乗り換えることができるため、一度失った信頼を取り戻すのは非常に困難です。

・コストの増加

次にコストの増加にも繋がります。ピッキングミスが発生すると、返品や再発送の手配が必要となり、そのための追加的な人件費や送料が発生します。また、ミスを修正するための時間と労力も無視できません。これらのコストは企業の利益を圧迫し、長期的には財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・在庫管理の精度低下

ピッキングミスは在庫管理の精度低下も引き起こします。ピッキングミスが頻発すると、在庫データが正確でなくなり、在庫切れや過剰在庫のリスクが高まります。これにより、正確な在庫管理が難しくなり、結果として販売機会の損失や無駄なコストが発生します。

・ブランド毀損

最後に、ブランドイメージの損失も重大なデメリットです。ピッキングミスが続くと、企業の信頼性や品質に対する評価が低下し、ブランドイメージが損なわれます。これは新規顧客の獲得や既存顧客の維持に悪影響を及ぼし、長期的な成長を妨げる要因となります。

ピッキングミスを減らすためには

ではピッキングミスを防ぐにはどのようにするのが良いのでしょうか。まずはピッキングミスの原因を探ることから始めてみることをおすすめします。

例えば

・ピッキングミスが起こるタイミングは?
・ピッキングミスがよく起きる商品は?
・ピッキングミスが多い担当者は?
・ピッキングミスが多い時間帯は?

などを追及することでそれぞれの原因が浮かんできて、ピッキングミスの対策に何が必要なのかが分かるでしょう。

ピッキングミスの原因として最も多いのはヒューマンエラーです。現場の方の手作業や目視作業に頼ってピッキングをすることでピッキングミスが発生するケースが最も多いです。慎重かつ丁寧に作業を行っていてもやはり人間なので、長時間の作業を行っているとミスが発生してしまいます。そのようなヒューマンエラーを防ぐためにも2人で作業するなどの方法もありますが、人件費が多くかかってしまうなどの悩みもあるでしょう。そのため、自社に合ったピッキングミスの対策を検討する必要があります。

ピッキングミス対策の具体例

では実際に弊社のお客様が実施しているピッキングミスを減らす対策をご紹介します。

作業手順のマニュアル化

業務の属人化についてはどの業界でも問題視されていますが物流倉庫でも同じです。
特に物流倉庫ではベテランに混ざって新人の方や単発でのアルバイトの方などが勤務する為、誰か一人が作業をしやすい環境ではなく誰が作業をしても同じことができる水準まで作業手順をマニュアル化できると良いでしょう。そうすることによって不測の事態が起こってもミスなく作業を進めることができるようになります。

働きやすい現場づくり

ピッキングミスの対策として挙げられるのが働きやすい現場づくりです。どこに何があるのか分からないような現場で作業をするとどうしてもミスが発生してしまいます。きちんと倉庫内が整理されていればどこに何があるのか把握ができるのでピッキングミスを減らすことができます。加えて倉庫のレイアウトなどを見直すことが出来ればより一層ミスの防止につながります。

WMS(倉庫管理システム)の導入

WMS(倉庫管理システム)を導入することでピッキングの防止だけでなく、ピッキング作業の圧倒的効率化が期待できます。WMS上で作成したピッキングリストをハンディターミナルで読み取りながらピッキングすることによってリストに載っていない商品をピックするとアラートが表示されたり警告音が鳴ったりするのでピッキングミスの対策として有効です。

ピッキングミス対策に効果的なCOOOLaの機能

ブライセンのWMS「COOOLa」にはWMSの基本的な機能に加えて、さらにピッキングミスをなくすための機能が盛り込まれています。

一体型帳票機能

複数の帳票類(納品書と後払振込票など)を同梱する場合、取り違えが起こると大問題になります。伝票の入れ間違えがないかを目視チェックするのが通常ですが、COOOLaは、「一体型帳票機能」を標準機能にて搭載しています。「一体型帳票機能」では、複数の帳票類を、1枚の用紙にまとめて印刷します。1枚の用紙にまとめることで、帳合作業が不要になり、作業効率もアップします。帳票の一体化にかかるコストは無料です。

「一体型帳票」の詳細はこちら

同梱物の入れ間違いを無くす

商品と一緒に送る挨拶状や商品パンフレット、サンプル品などの同梱物も、お客さまごと、注文ごと、季節ごとに変わるため、ミスの起こりやすいポイントです。COOOLaでは、注文商品や購入回数など、同梱物の条件を細かく設定することができます。その他にも配送方法や支払方法、会員ランクによる設定も可能です。
設定された同梱物はピッキングリストに表示されますので、現場では商品と同じようにピッキングリストに従ってピックするだけ。ミスの起こりづらい作業フローにすることができます。

「同梱物の管理」の詳細はこちら

さいごに

WMSを活用することでピッキングミスを減少させ、品質を向上させることは、お客様の信頼を得ることに直結し、ビジネスチャンスが広がります。また、ピッキングミスを減らすだけでなく、未経験のアルバイトスタッフでも、初日から作業にあたることができるというメリットもあります。誤出荷を減らすことができれば、クレーム対応や原因究明などに時間を割くことも少なくなり、さらなる作業効率の改善に繋がります。是非この機会に、ピッキング作業の見直しをしてみてください。

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