棚卸とは
棚卸とは、企業や組織が持っている在庫や資産の数量や状態を確認する作業の事を表します。物流業界の棚卸と言えば倉庫内に保管されている製品・商品・部品などの数量や状態を確認する作業のことです。年に1度行う企業もあれば半年に1度(年に2度)行う企業もあります。飲食業や小売業では月に一度行う企業などもあります。棚卸を怠ってしまうと在庫の状況が把握できておらず在庫切れによる出荷の遅れで顧客満足度の低下、過剰在庫を抱えることによる保管コストは廃棄コストの増加が生じてしまいます。
棚卸の現状
先ほどお伝えしましたが棚卸を怠ってしまうと在庫切れや過剰在庫を抱えるリスクが高まってしまいます。しかし多くの企業が棚卸を大変またはできればやりたくないというのが現状です。なぜそう思うのか一部抜粋してみました。
1. 時間と労力がかかる
・手間がかかる
計画の立案、責任者の選定、在庫リストの準備など棚卸しは多くの時間と労力を要するため、通常の業務と並行して行うのは大変です。
・人手が必要
企業によっては棚卸に多くのスタッフ(場合によっては数百人単位)が必要で通常業務をストップして取り組む必要があり通常業務に影響が出ることがあります。
2. 精度の問題
・ヒューマンエラー
ハンディターミナルなどシステムを導入して棚卸を行っている企業もありますが手作業で行っている企業もあります。手作業によるカウントはミスが発生しやすく、何度も数え直しが発生するケースもあります。
・複雑な商品管理
特に多種類の商品を扱っている場合、在庫管理が非常に複雑で、正確な棚卸しが難しくなります。それだけではなく、例えば1種類でも赤、青、黄、緑といった風に4通りのカラーがある場合、S、M、L、LLといった風に4通りのサイズのような1種類で16通りのパターンがある商品などがあると棚卸に苦労するケースなどもあります。
3.業務への影響
・通常業務の中断
企業(店舗)によっては棚卸を通常業務を中断して1日かけて行うケースもあります。そうなると1日分の出荷や営業を止めてしまうことになるので業績に影響を及ぼしてしまう可能性もあります。会社によっては出荷や営業を止めることを避けるべく営業時間外に棚卸を実施するケースや、全ての在庫を一斉に棚卸をせず、在庫の種類や場所で作業日を分けて棚卸をする循環棚卸を実施している企業もあります。どちらにせよ現場の負担は避けられないのが現状です。では現場の負担が大きい棚卸作業が必要となる在庫差異はなぜ発生するのか解説していきたいと思います。
在庫差異はなぜ発生するのか
在庫差異とはシステム上の在庫の数量と実際に保管されている在庫の数量が一致しないことを指します。なぜ通常通り業務をしているのに在庫差異が発生するのでしょうか?
1. ヒューマンエラー
在庫差異の原因として最も多いとされているのがヒューマンエラーです。
例えば入荷作業の際に入ってきた商品の数量を間違えて入力してしまうケースや商品コードやSKUを間違えて入力してしまうケース、商品の誤登録や同じ商品を複数回入力してしまう重複入力、入力するのを忘れてしまう欠落入力など入荷作業だけでこれだけのミスが想定されます。出荷検品の際も同じく商品の数量を間違えて入力してしまったり、SKUを間違えてしまったり、欠落入力、重複入力が起こりえます。
2.破損や劣化
倉庫内での移動などをしている際に床に落としてしまったり、他の商品にぶつけてしまったりと破損するケースや長期間の保管による品質劣化や商品に消費期限や賞味期限があった場合も破棄した数を把握しておらず在庫差異の原因となっています。
3.ロケーション管理
直接的要因ではありませんがロケーション管理も在庫差異の原因の1つです。ロケーション管理を適切に行わないとピッキング指示とは異なる商品をピックしてしまうなど直接的要因ではありませんが間接的な在庫差異の原因となります。
その他にも在庫差異の原因はいくつかありますが今回は割愛させていただきます。
倉庫管理システム(在庫管理システム)を導入するメリット
在庫差異を解決するために我々は倉庫管理システム(在庫管理システム)の導入を推奨しています。倉庫管理システム(在庫管理システム)の最大の導入メリットはヒューマンエラーを減らすことができることです。紙やエクセルなどのアナログな在庫管理は、入力ミスや集計ミスが発生しやすいです。システムを導入することで人の手による入力がなくなるため、作業工数の削減に加えてデータ精度の向上も図ることができます。さらにデータが蓄積されることによる需要予測が立てやすくなるメリットもあります。また、リアルタイムで在庫の更新がされるので在庫の動きなどが把握でき、在庫の適正化も実現が可能です。そしてリアルタイムで在庫が更新されることで常に理論在庫が把握できるようになり管理工数の削減にも繋がります。
クラウド型倉庫管理システム(WMS)「COOOLa」で出来ること
「COOOLa」は、現場の方の使いやすさをを徹底追及して開発したクラウド型倉庫管理システム(WMS)です。
先ほどお伝えした在庫管理の課題を解決するCOOOLaの機能をご紹介します。
(1)SKU管理が可能
COOOLaでは、入庫日、賞味期限、3つの自由な設定が出来る在庫を管理するキー(在庫管理キー)を設定できます。どの荷主でも適切な在庫管理・入出荷管理ができます。
(2)出荷期限管理
商品ごとに出荷期限の設定が可能。
出荷時には出荷期限をチェックしていますので期限切れを出荷してしまうような誤出荷を確実に防ぎます。
(3)最大5階層のロケーション管理が可能
「建屋」「階層」「列」「連」「段」と最大5階層まで設定することができます。
様々なシチュエーションに合わせて細かく設定できます。
(4)温度帯管理が可能
商品、ロケーションのどちらでも温度帯を設定することができます。
温度帯の異なった棚入れをチェックしていますので、間違いが発生しません。
(5)抽出条件、集計条件を設定した在庫の照会機能が可能
様々な抽出条件、集計条件によってニーズに合わせた表示が可能です。
また、長期間動きのない商品や賞味期限など期限切れとなっている商品のみを表示する機能もあり、不良在庫をすぐ見つけることができます。
対象の在庫があった場合、TOP画面にもアラートを表示することが可能です。
(6)トレーサビリティの追跡が可能
COOOLaでは1SKU、入庫日単位ごとに「インストアコード」を持っています。 「いつ」「どのロット」「どこのロケーション」という情報が入出荷のデータと連動しているため出荷後の後追いが簡単に行えます。ロット不良が見つかった時の対象の出荷の調査や在庫調整に適しています。
さいごに
WMSを活用することで在庫管理の精度を向上させ在庫差異をを減少させることで棚卸に費やす時間を減らすことができます。また在庫差異を減らすことは、お客様の信頼を得ることに直結し、ビジネスチャンスが広がります。COOOLaの導入企業様では棚卸の時間が今まで2~3日かかっていた企業が1日で終わるようになったなどの導入実績もございます。
棚卸作業の時間を減らすことで、さらなる作業効率の改善に繋がります。是非この機会に、WMSでの在庫管理を検討してみてください。