在庫管理の見える化とは
在庫管理の見える化とは、「在庫が倉庫内のどこにあるか」という実物の見える化と、「在庫がいつ、何個入出庫して、現時点での在庫数がいくつあるのか」という情報の見える化があります。在庫管理を見える化するためには、この二つをどちらも改善する必要があります。従来の紙での在庫管理は、在庫数の管理をリアルタイムで行うことはできないため、どうしても数に差が出てしまいます。情報を見える化できている状態は、リアルタイムで正確な在庫数がいつでも誰でも見れることですので、そのためには倉庫管理システムなどのシステム導入が必須となります。
在庫管理を見える化するメリット
在庫管理の見える化には、企業にとって多くのメリットがあります。ここでは3つのメリットをご紹介します。
1.業務効率の向上
在庫管理を見える化することで、リアルタイムで在庫状況を把握できるため、欠品しそうな商品は迅速に入荷したり、逆に過剰在庫を防ぐことができます。そのため在庫管理全体の効率が向上します。
2.コスト削減
在庫管理の見える化によって適正在庫を維持すると、保管コストや廃棄コストを削減できるため、結果的にコスト削減にもつながります。
3.顧客満足度の向上
在庫切れを防ぎ顧客が求める商品を確実に提供できれば、顧客満足度が向上しリピーターの獲得やブランドの信頼性向上にも寄与します。
このように、在庫管理の見える化によって適正在庫を実現することが、様々なメリットをもたらすのです。
在庫管理の見える化を実現する方法
在庫管理の見える化を実現するための代表的な3つの方法をご紹介します。
1.ロケーション管理
ロケーション管理とは、倉庫内の各エリアや棚に番号を割り振ることで、在庫の保管場所を明確する管理方法です。これにより商品の位置が誰でも明確に分かるため、商品自体の見える化を実現します。
2.5Sの徹底
5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」というSから始まる5つの単語で構成される活動で、安全で生産的な職場環境を作るために多くの倉庫で取り入れられているもので、在庫管理の見える化を維持する点で有効です。それぞれどういった作業かをご紹介します。
整理:必要なものと不要なものを区別し、不要なものを取り除くことです。これにより、倉庫内のスペースを有効活用できます。
整頓:ラベルなどで物品の場所を決めて、必要なものは使いやすい場所に配置し、すぐに取り出せるようにすることです。
清掃:倉庫内を清掃し常に清潔な状態を保つことで、商品の品質を維持し、作業環境を改善します。
清潔:整理・整頓・清掃の3Sを実施することで、安全で快適な職場環境を維持することです。
躾:これらの4S活動を継続的に行い、従業員の意識を高めるために指導し、職場に根付かせることです。
3.WMS(倉庫管理システム)の導入
WMSとは、倉庫内の商品の入出荷管理や在庫管理など倉庫業務を一元管理するシステムです。WMSを導入することで、在庫情報をデータで管理することができ、「どこに」「何が」「いくつ」あるのかを把握できるようになるので、まさに在庫管理の見える化を実現できるシステムなのです。また、リアルタイムで在庫情報を把握できるため、在庫管理の業務効率も向上します。
これらの方法を組み合わせて実施することで、より正確な在庫管理の見える化を実現することができるでしょう。
在庫管理の見える化ができていないと起こること
従来のアナログな在庫管理では、正確な在庫状況の把握は難しいです。在庫が見える化できていないと起こるデメリットをご紹介します。
・営業が注文を受けたが在庫状況を把握できておらず引き当てがかけられない
・ECサイトなどで注文を受けたが、在庫が欠品していて出荷することができない
・在庫があるのにもかかわらず発注をかけてしまった
・必要以上に発注をしてしまった結果、賞味期限などが切れて出荷できない
・出荷が遅れた結果、お客様からの評価が著しく下がってしまった
上記のように正しく在庫を把握していないと機会ロスや低評価につながることがあります。
在庫管理の失敗事例1:在庫切れ
実際に筆者も最近行われた某セールにて出荷まで2~3日と聞いて購入したコンタクトレンズが注文後に在庫切れで出荷まで2~3週間かかるとメールが届いた日には現場の事情は何となく察していたもののもう少し早く言ってもらえれば…という何とも言えない気持ちになったのを覚えています。コンタクトの残りがちょうど2週間分だったので切らすリスクを考慮した結果、キャンセルをして別のところから購入しなおしました。
これが在庫状況を把握してないがゆえの販売機会の損失です。加えて、私の場合は物流現場のことをある程度把握しているのでセールで大量に注文が入って、在庫を切らしてしまい出荷できなくなったんだろうとある程度納得することができましたが一般のお客様は現場の状況を一切知らないので出荷が遅い、記載していた日程と違うというふうに評価が下がってしまうのが実情です。実際にその出品者に対しては予定していた出荷日より大幅に遅れたなど低評価がついていました。
在庫管理の失敗事例2:過剰在庫
先ほどは在庫状況を把握できておらず商品を切らしてしまい販売機会を紹介しましたが逆もあります。
欠品を恐れるが故に余分に発注をかけたり、担当者の感覚で発注をかけたりして過剰在庫や滞留在庫を抱えてしまうケースです。過剰在庫や滞留在庫を抱えてしまうとキャッシュフローの問題や保管コストの増加、廃棄リスクなどが生じてしまいます。過剰在庫に関してはアウトレットやセールなどで販売することができるのですぐに問題になることはありませんが、滞留在庫に関しては売れる見込みがほぼなくなってしまう為、キャッシュフローの問題や保管コストの増加、廃棄リスクに直結してしまう可能性が高くなります。
見える化以外にもある適正在庫を保つ方法
在庫管理の見える化にも、適正在庫を保つ方法があるのをご存知でしょうか。ここからは、見える化以外のやり方で在庫切れや過剰在庫を防ぐ方法をご紹介します。
1.需要予測の精度向上
過去の販売データを分析し、季節変動やトレンドを把握することや消費者のニーズや市場動向を調査し、需要を予測することが重要になります。ここのニーズを読み外してしまうと需要に対して供給が間に合わず在庫切れや逆に供給過多で過剰在庫が生じてしまいます。最近では需要予測の精度向上を目的としたシステムなどもあるようなので一度導入などを検討してみるのも良さそうです。
2.安全在庫の設定
安全在庫とは、予期せぬ需要の変動や供給の遅延などの不確実な状況に対応するために、通常の在庫量に追加して保持する余分の在庫のことを指します。安全在庫を設定する目的は在庫切れを防ぐことです。ただし安全在庫を増やし過ぎることは過剰在庫を起こしてしまいコスト増に繋がりかねないのでバランスの取れた設定が重要で定期的な見直しも推奨されています。
在庫管理の見える化ができるWMS「COOOLa」
ブライセンが手掛けるクラウド型WMS「COOOLa」では、在庫管理の見える化を実現し、適正在庫を保つための機能が揃っております。ここからは機能の一部をご紹介いたします。
1.入出荷作業の管理
WMSは、「倉庫に何が(貨物、資材、商品)が入荷され、出荷したか」を正確に管理することができます。目視ではなく、入出荷の際にバーコードで読み取ってWMSで管理することで、リアルタイムで在庫数を正確に把握することができます。また、COOOLaは、荷主と倉庫や複数拠点の情報をリアルタイムに共有することができます。
2.発注点(安全在庫)の設定
COOOLaでは発注点(安全在庫)の設定が商品ごとに可能です。発注点(安全在庫)を設定しておくことで在庫数が発注点(安全在庫)を下回るとアラート通知を表示することができるので発注し忘れによる在庫切れや販売機会の損失を防ぐことができます。
3.在庫の照会
様々な抽出条件、集計条件によってニーズに合わせた表示が可能です。
また、長期滞留している商品や期限切れとなっている商品のみを表示する機能もあり、滞留在庫をすぐ見つけることができます。
対象の在庫があった場合、TOP画面にもアラートが表示されます。
まとめ
WMSを導入することで在庫状況の見える化の実現は可能です。ブライセンのWMS「COOOLa」には、その他にもさまざま活用できる機能がたくさんございます。充実した標準機能に加えて、柔軟なカスタマイズ対応が強みですので、お客様ごとの固有の特長に合わせた機能実装も可能です。ぜひご検討くださいませ。