倉庫管理システム(WMS)とは
倉庫管理システムとは「Warehouse Management System(WMS)」とも呼ばれる、倉庫内で行われるあらゆる業務の管理が可能なシステムです。
製造業では原材料や製品を保管する倉庫、小売業などでは商品を保管する物流倉庫などを管理していますが、その倉庫にある商品の在庫管理や入出荷管理、仕分、加工、保管など一連の倉庫内業務を管理する機能が倉庫管理システムに備わっています。
●倉庫管理システムの基本機能
・入庫管理・出庫管理
・在庫管理
・棚卸管理
・帳票作成
・加工指示管理
・ロケーション管理
・請求データ作成・出力
・ハンディターミナルを用いた入荷検品棚入
・ピッキング検品
●倉庫管理システムのメリット
ハンディターミナルを利用して自動化することができれば、物流状況の可視化やリアルタイム管理が可能になり、業務効率化につながります。
また人為的ミスの軽減や作業効率化、省人化、クレーム減少、コスト削減などのメリットも期待できます。
倉庫管理システムの種類
倉庫管理システムは、次のような種類に分類されます。一つは、サーバをどこに設置するかによる分類です。また契約形態や自社開発を行うかどうかという観点による分類もあります。それぞれ確認していきましょう。
【サーバ設置場所による分類】
●クラウド型
インターネット経由で、クラウドサーバ上に置かれたシステムにアクセスして利用します。サブスクリプション形式が多いのが特徴です。自社内にサーバを設置する必要はありません。
●オンプレミス型
自社内にサーバを設置して、そのサーバにシステムソフトウェアをインストールし、システムを管理・運用していきます。
【契約形態・自社開発するかどうかによる分類】
●サブスクリプション型
月額料金を払って利用する契約形態です。基本的に、クラウド型の倉庫管理システムはこの形態を取っています。
●パッケージ型
システムのパッケージ版を購入し、自社内のPCにインストールして利用する形態です。買い切り型が一般的です。
●スクラッチ開発
プログラミングを行い、システムを開発します。自社の用途に適した、オリジナルの倉庫管理システムを利用します。いずれにしてもシステム開発コストが発生します。運用コストは、月額で発生することはなく、基本的に保守・メンテナンスコストのみとなります。
倉庫管理システムの種類別のメリットとデメリット
先に挙げた倉庫管理システムの種類別のメリットとデメリットを、それぞれ確認しておきましょう。
●クラウド型
【メリット】
クラウド上にあるシステムにアクセスし、認証をクリアすれば、すぐに利用開始できるのが大きなメリットです。自社にサーバを用意する必要はないため、導入が早く手軽で、初期コストを抑えられます。また運用後に機能が不足していればスペックアップ・ダウンを柔軟に行えます。さらにサーバ管理や保守・メンテナンスが不要であるメリットもあります。
【デメリット】
クラウドサービス利用料が定期的に運用コストとしてかかるほか、カスタマイズ性にやや欠けることや、サービス提供側による突然の仕様変更が生じることなどを踏まえる必要があります。
●オンプレミス型
【メリット】
自社に合わせたカスタマイズや拡張が可能である点が大きなメリットです。また運用コストは基本的にかかりません。ただし、サーバの保守・メンテナンスは必要です。
【デメリット】
サーバを自社で用意してから設置、インストール、データ連携などを行う必要があるため、導入や保守・メンテナンスにコストと時間がかかります。
●サブスクリプション型
【メリット】
小規模企業でも簡単に導入でき、初期コストを抑えられるのがメリットです。
【デメリット】
月額利用料を毎月、支払っていく形態であるため、継続的に運用コストがかかります。
●パッケージ型
【メリット】
手軽に短期間で導入できる上に、価格や機能から最適なものを選びやすいのがメリットです。運用コストは基本的にかかりません。
【デメリット】
パッケージ型は、すでに完成している製品を利用するため、基本的にカスタマイズ性に欠けます。もしカスタマイズする場合は、コストが大きくなる恐れがあります。またさまざまなタイプの企業に向けて開発されているため、機能が豊富であることが多く、機能を持て余すこともあります。
●スクラッチ開発
【メリット】
まるごと開発するフルスクラッチを行えば、自社に最適な倉庫管理システムを構築できます。必要十分な機能を備えるシステムになるのに加えて、将来的な拡張も考えた開発も可能です。
【デメリット】
開発コストが莫大になることが多く、開発期間も長期間かかります。また運用後も、保守・メンテナンスにコストと時間がかかります。
倉庫管理システムの選び方
目的に合っているか
倉庫管理システム導入にあたっては、目的を明確にし、自社に最適なものを選ぶことが重要です。先にあげた種類も、自社の目的を明確にすることで自ずとどれを選ぶべきかが定まってきます。
基幹システムと連携できるか
倉庫管理システムの導入では、基幹システムと連携できるかどうかも重要なポイントです。連携することによって業務全体の効率化、ミスの削減に繋げることができます。対応できないものもあるので、事前に要件をチェックしておくとよいでしょう。また、既存の機能にない場合はカスタマイズで対応することもおすすめです。しかし、その場合はカスタマイズの実績を確認しておいた方がよいでしょう。カスタマイズに強い会社であれば、運用フェーズの様々な課題にも対応してくれることも多いです。
メインの在庫管理機能以外の機能が自社に合っているか
多くの倉庫管理システムでは、在庫管理などの基本的な機能のほか、オプション機能を用意しています。例えば、送り状発行機能やBIツール機能、画像検品システムなどを利用できるシステムがあります。それらの機能を役立てられるのであれば、そのシステムを導入するメリットは大きくなるでしょう。
まとめ
倉庫管理システムは、倉庫管理業務を効率化し、コスト削減などにつながる可能性もある優れたシステムです。
導入をお考えの際には、ブライセンのクラウド型倉庫管理システム「COOOLa」をぜひご検討ください。
豊富な機能を備えていますが、カスタマイズにもご対応可能です。カスタマイズにおいては、より貴社のコスト効率化につながる方法をご提案させていただきます。
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