在庫管理とは
在庫管理とは、商品や製品、仕掛品、原材料などの在庫数を最適な在庫量と適切な状態と品質を保ちながら各所(お客様など)に供給できるよう管理することです。在庫管理が出来ていないと、在庫不足による発送遅延や過剰在庫による保管コストの増加などを引き起こしてしまうため、常に正しい在庫を把握する必要があります。在庫数のズレは「理論在庫」と「実在庫」の数が合わないことで発生します。
理論(帳簿)在庫と実在庫の違い
理論在庫は、帳簿やシステムで計算された在庫の数量です。これは、受注、出荷、返品、仕入れなどの取引データに基づいて計算されるもので、理想的には実在庫数と一致するはずの数量です。それに対して、実在庫は、実際に倉庫や店舗に存在する在庫の数量です。これは物理的に確認された数量で、棚卸しなどの方法で実際に数えられたものです。それぞれ異なる方法で記録しているため、倉庫業務を行う中でそれぞれの数字に差が出てしまうのです。
在庫数が合わなくなる原因
全ての業務が正しく行われているのであれば、帳簿上の在庫数と実在庫数が合わなくなることはありません。ではなぜ在庫数が合わなくなるのでしょうか。倉庫業務で起こりやすいミスを説明します。
1.入荷・入庫時のミス
入荷・入庫時の数え間違いによるものです。人が入庫数を確認している場合は数え間違えることや、入庫数を記載する時に記載ミスをしてしまうと在庫数のズレが生じてしまいます。
2.入出庫の記録漏れ
商品の入出庫が発生した際に、記録を忘れてしまうケースです。特に忙しい時期や、緊急対応が必要な場合には、記録が後回しにされがちです。
3.棚卸しの不正確さ
定期的な棚卸し作業が不正確であると、在庫数にズレが生じます。棚卸しの際には、複数人での確認や、チェックリストの活用によって、正確な在庫数を把握することが求められます。
4.紛失・破損・盗難など
商品の紛失や破損、盗難も、在庫数の不一致を引き起こす要因です。例えば搬送中に荷物が破損することがありますが、すぐに記録しなかったために忘れてしまうことがあります。また、作業中に商品を紛失してしまうことや、セキュリティの不備により盗難に遭うこともあります。それ以外にも、一時的に荷物を別なところに置いてしまい、そのまま戻さなかったことで在庫数にズレが生じてしまうこともあります。
このようなミスをなるべく減らし、リアルタイムで在庫管理を行うことが在庫数のズレを減らすことに繋がります。
在庫管理をリアルタイムで行うメリット
リアルタイムで在庫管理を行うメリットには以下のようなものがあります。
1. 在庫の最適化
リアルタイムで在庫状況を把握することで、過剰在庫や在庫不足を防ぐことができます。特に季節商品やトレンド商品など、需要が変動しやすい商品に対して迅速に対応することができます。これにより、無駄な在庫コストを削減し、保管効率の向上にも繋がります。
2. 顧客満足度の向上
リアルタイムで在庫情報を管理することで、顧客からの注文に対して迅速かつ正確に対応することができます。これにより、注文の遅延や欠品による顧客の不満を軽減し、リピート顧客の増加につなげることができます。また、在庫状況をオンラインで公開することで、顧客が自身で在庫確認を行えるため、購買意欲を高めることも可能です。
3. データに基づく意思決定
リアルタイムの在庫データを活用することで、より正確な売上予測や需要予測を行うことができます。これにより、仕入れや生産計画を最適化し、無駄を省くことができます。さらに、データに基づく戦略的で迅速な意思決定が可能となります。
リアルタイムな在庫管理を実現した事例
ここからは実際にご相談いただき、WMSによってリアルタイムな在庫管理を実現した事例をご紹介していきたいと思います。
3PLのA社様
●WMS導入前の在庫管理の課題
3PLのA社様は今までExcelや手作業にて在庫管理をしてきました。特に大きなミスや問題などは発生せずお客様からの信頼もとても厚かったとのことです。しかし、新規荷主様の導入が決まって状況が一変します。新規荷主様は物量が多く、かつ在庫の回転率が高い製品と低い製品が混在していました。今まではExcelや手作業での在庫管理で間に合っていたものの、どのExcelデータが最新なのか分からなくなる、Excelファイル容量が大きくなってしまい動作が遅くなり開けない、消えてしまったなどリアルタイムでの在庫状況の把握が出来ないようになっていました。結果、新規荷主さまだけでなく既存の荷主様からのお問い合わせに対しておすぐにレスポンスが出来ない、問い合わせがある度に倉庫に行って在庫を数えて連絡するが数が合わないなどが重なり荷主様からの評価が下がるなど悪循環に陥りました。
●WMS導入後の在庫管理
A社様で実施したのはWMSの導入とハンディターミナルを活用した入出荷作業と荷主様のアカウントを作成し在庫状況を確認していただくという方法です。WMSを活用し入荷時には商品の場所と数量を記録し更にハンディターミナルを活用することでより正確な入荷・入庫を実現しました。もちろん出荷作業も同様です。こうすることによって物が何個入ってきて何個出ていったのかリアルタイムでの把握が出来るようになり在庫管理が圧倒的に楽になったとのことです。また荷主にWMSのアカウントを付与し、荷主を環境に入って頂くことで在庫状況を把握してもらうことで従来発生していた電話やメール、FAXなどの報告作業の削減に成功し、毎回倉庫に行って在庫数を確認する時間削減にも繋がったとのことです。
メーカーのB社様
●WMS導入前の在庫管理の課題
メーカーのB社様も同様にExcelや手作業にて在庫管理を行ってきました。こちらの企業様は自社内の製品や製品を作る際に使用する部品、アフターパーツなどの在庫管理を行う必要がありました。しかし、リアルタイムでの在庫管理が出来ないが為に、製品の注文が入ってもすぐに出荷できなかったり、他部署からの部品提供を求められた際にもすぐに提供が出来なかったりという状況でした。加えて倉庫担当者が欠品を恐れた結果、製品や部品の発注を余計にしてしまい、過剰に在庫を抱えてしまうという状況が発生しました。
●WMS導入後の在庫管理
B社様に関してもWMSの導入とハンディターミナルの活用をすることで自社の製品、部品、アフターパーツのリアルタイムでの在庫管理の実現し、加えて発注点を設定することで在庫切れが生じることなくなりました。また、関係者にWMSのアカウントを付与することで各人が在庫状況を把握することが出来るようになり、各々の部署からのお問い合わせやクレーム対応などの対応工数も激減したとのことです。
在庫管理にWMSを導入するメリット
WMSの強みとしてはやはり情報(入荷情報や出荷情報など)を読み取るとすぐに反映されるのでリアルタイムで状況把握ができることです。ご紹介したのは一部の企業様の事例になりますがWMSを導入することでリアルタイムでの在庫管理を実現し、作業効率化に繋げている企業様が多くございます。
ブライセンのWMS「COOOLa」はパソコンやハンディターミナルで情報登録をすると約2秒で更新がされるのでリアルタイムでの更新はもちろんのこと、ユーザーアカウント登録数も無制限な為、他部署の人間や荷主様などを巻き込んで利用いただくことが可能です。もちろん、ユーザーアカウントごとに機能制限や閲覧制限も可能なのでセキュリティの観点からも安心してご利用いただけます。
まとめ
いかがでしょうか。今回はWMSで行うリアルタイムでの在庫管理について実際にご相談いただいた事例を基に紹介しました。ブライセンのクラウド型WMS「COOOLa」は、基本機能とオプション機能が充実しているほか、柔軟なカスタマイズ性を有しており、汎用性と拡張性を両立した使い勝手の良い、思い通りのWMS運用と業務効率化を実現します。使いやすく見やすい画面も好評です。ぜひお気軽にお問い合わせください。